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ガラスの熱割れ ガラスの仕様と熱割れについて

ガラスの熱割れが起きる原理や、保証の問題などについて 「ガラスの熱割れについて」 のブログで書きました。今回は、具体的に熱割れのリスクが高いガラスについて書きたいと思います。

 

少しブログでも度々書いていますが、まず網入りガラスです。これは、熱割れが起きやすいナンバー1と言ってよいと思います。もしかしたら、古い網入りガラスがサッシ付近から割れているのを見たことがあるかもしれません。これは、ガラスの中にワイヤーが入っていて、ガラスが熱を持ちやすいことと、ガラスのきわにワイヤーの断面があって、一種の傷のようなものになり、元々許容応力が低いことに起因しています。

それで、網入りガラスには、基本的には遮熱フィルムや着色フィルムは貼れません。でも、貼れる場合もあります。

しかし、複層ガラスで、外側が網入りガラスの場合もあります。マンションなどで、消防法上の規定によりそうなっている場合が多いです。この場合、内側のガラスが普通のガラス場合貼れることも多いです。

 

もう一つ、多くの住宅に採用されているリスクの高いガラスに、複層ガラス(ペアガラス)があります。網入りガラスほどではありませんが、リスクが高い傾向にあります。ホームセンターやネットで購入出来るフィルムには、複層ガラスには貼れませんと書かれている物もあります。これは、半分合っていて半分間違っていると言えます。実は、複層ガラスには様々なタイプがあり、その個々のものによってリスクの高低に差があります。ですから、複層ガラスとしてまとめて貼れるとか貼れない(熱割れする、しない)とは言えないのです。では、複層ガラスの中でもどんなガラスは、リスクが高い傾向にあるのでしょうか?

 

書き出してみますと

 

面積 大 > 小  (ガラスのサイズです)

厚さ 厚い > 薄い (ガラスの厚さです。内と外で違う場合があります)

中空層  厚い > 薄い (ガラスとガラスの隙間の間隔です。6mmとか12mmが多いです)

ガラスの種類  Low-Eガラス >  フロートガラス (一般的にです)

 

左側がリスクが大きくなります。

つまり、ガラスが厚ければ厚いほど、面積が大きいほど、熱割れリスクが高まります。

 

最後の複層ガラスの種類に関しては、いろいろなバリエーションがあり、Low-Eガラスを外か内側かどちらに使うかや、厚さや種類のことなど構成がいろいろありますのでまた別ブログで書きたいと思います。

 

今回は、ガラスの仕様と熱割れということで、網入りガラスと複層ガラスについて簡単に書きましたが、他にも、熱線反射ガラス、熱線吸収ガラスなどリスクが高いガラスはいろいろありますが、住宅に関して一般的なものということで2種類だけ取り上げました。

 

また、文中で「基本的に」とか、「貼れる場合がある」とか、「一般的に」という表現がありましたが、これは、熱割れリスクの判定(熱割れ計算)は、上記にあったガラスの面積、厚さ、種類や設置環境などを総合的にみて計算するものなので、あえてこのような表現を用いています。個々の現場、ガラスで判断する必要があるわけです。

ガラスの設置条件、環境条件と熱割れについては、また別ブログで取り上げたいと思います。

 

上記のように、様々なファクターが関係しますので、フィルム貼り付けに際しては、現地確認、熱割れ計算をご用命ください。フィルム職人HASでは、フィルム施工をご依頼の方には、無料で熱割れリスク判定をさせていただきます。