最近住宅の窓ガラスの熱割れというワードを聞く頻度が高くなってきました。これには、夏の酷暑の影響があると思います。そのほとんどが、網入りガラスの熱割れのような感触です。
それでも、網入りガラスでなくても、多くの住宅で採用されている複層ガラスでも網入りガラスほどではありませんが、フィルムを貼ることによって熱割れのリスクは高まります。ホームセンターなどで売っている、ミラーフィルムなどの遮熱フィルムの中には、複層ガラスには貼れないと記載しているものもあって複層ガラスには貼れないものだと思われている方も中にはおられるようです。
そこで、フィルム別で熱割れリスクがあるかの判断の助けになるのが、熱割れ計算というものです。それで今回は、熱割れ計算とは、具体的にどのようなものか計算の仕方のところに踏み込んでみたいと思います。出来るだけ分かりやすくするために簡潔な表現を心がけているつもりですので、厳密な表現でない場合があります。私も勉強しながらということもありますのでご容赦願います。
以下は、NSGのこのサイトを参考にしております。
熱割れ計算には、ガラスが持っている 許容熱応力 といろんな条件のもと起こってくる 発生熱応力 を出す必要があります。簡潔に言いますと、この許容熱応力よりも、発生熱応力が上回るときに熱割れが発生します。
このガラスが持っている許容熱応力は、決まっています。
一般的な板ガラスは、17.7MPa [1MPa=約10.2kgf/㎠]
網入りガラス 9.8MPa
強化ガラス 79.4MPa
この値から分かるのは、網入りガラスは元々の許容熱応力の値が低くて耐えられる量が少ないということです。
逆に強化ガラスは、許容熱応力値が高いので、ほとんど熱割れのリスクはないということになります。
ほとんどの住宅のガラスは、一般的な板ガラスですので 17.7MPa ということになります。(Low-Eガラスでもガラス自体は、板ガラスです)
次に、発生熱応力についてです。
これが、大変複雑でいろんなファクターが関わってきます。次の式で値を出します。
発生熱応力 = 基本応力係数 × 影係数 × カーテン係数 × 面積係数 × エッジ温度係数 × (ガラス中央温度ーサッシ温度)
上記の式のそれぞれの部分についての要素の説明は割愛しますが、それぞれの係数というのが個別の環境で異なってくるところです。(詳しい説明は、上記のサイトを参考にしてください。)
係数の値が大きくなるほど、発生熱応力の値も大きくなり、熱割れリスクも高まるわけです。(それでも、ガラスの許容熱応力の範囲に収まっていればガラスの熱割れは基本的に起こらないということになります)
幾つかの例を挙げますと、カーテン係数というのがありますが、厚手のカーテンでガラスからの距離が100mm未満の場合、1.5 というのが係数になりますが、100mm以上であれば、1.3 というのが係数になります。
また、ガラスの面積が、0.5㎡ の場合、0.95 というのが係数ですが、2.0㎡ の場合、1.06 というのが係数になります。
そして、ガラス自体の種類(Low-Eガラスのいろんな種類とか)、方角、地域は、ガラスの中央温度 の計算のところに関係してきます。また肝心の、フィルムの種類もここのガラスの中央温度の計算に関わってきます。
そして、式の中の要素の中に計算した時点から変化する係数があることに気づかれるかもしれません。それは、影係数、カーテン係数です。影は、ガラスの外に物を常習的に置いた場合など、カーテンを変更した場合などです。
この熱割れ計算を行なった結果、複層ガラスでも、また網入りガラスでも貼れるということが確認できる場合がございますので、フィルムを貼れないと諦める必要はありません。
弊社ではご用命の際には、熱割れ計算を行い許容値内に収まっていることが確認できた場合でも、施工後に熱割れに関する注意事項をご説明しております。
熱割れに関するご質問や熱割れ計算のご用命に関しては、お気軽にご相談ください。
