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UVカットフィルムについて

今回は、UVカットフィルムについてです。この名前のフィルムですが、実は建築窓ガラス用フィルムの区分(JIS A5759)では存在しないフィルムです。つまり、UVカットフィルムというカテゴリーは無いという事です。

 

では、なぜ盛んにUVカットフィルムというワードが聞かれたりネット上でも取り上げられているのでしょうか?

 

それは、UVカット(紫外線カット)にそれだけ多くの方の関心が向けられているからでしょう。ご存知の通り、紫外線を必要以上に浴びると、人体に悪い影響をもたらします。(もちろん浴びるのが体に良い場合もあります)加えて最近は、環境汚染や地球規模の汚染が影響して有害な紫外線も地表に到達する確率が上がっています。それを気になされる方は、野外でも対策をなされますが、屋内でも対策をしたいと考えておられます。また、部屋の中の家具や床などの日焼けについて心配されている方も多いと思います。分かっておられる方もおられますが、普通のガラス(一般的なフロートガラス)は、紫外線を半分ほどしかカットしません、紫外線カットを売りにしているガラスも80~90パーセントほどしかカットしません。(ガラス自体に紫外線吸収剤を混ぜ込むと黄色くなってしまうそうです)それで、フィルムを貼ることによってUVをカットしようということになります。

大抵のフィルムは、UVを99パーセント以上カットする効果を持ち合わせています。ここが味噌になります。つまり、多くの機能をもった高価なフィルムも、比較的安価な透明なだけのフィルムも同じくUVカットの効果をもっているということです。これは、外貼りフィルムの時にご説明したように、フィルム自体がUVに弱い特性があるのでそれを守るために、接着剤層に紫外線吸収剤を練りこんでいることによります。

このようなわけで、UVカットフィルムというカテゴリーは、フィルム区分の中には存在せず、窓ガラス用フィルムは全てUVカットをするという事になります。

 

では、UVカットフィルムとうたっているフィルムは何なのでしょうか?

それはずばり、飛散防止フィルムです。透明で、地震や台風や衝突対策に使うフィルムで、災害対策に用いる基本的なフィルムです。

なぜ、飛散防止フィルムをUVカットフィルムと言っているのでしょうか?

それは、まずフィルムの中で一番安価であるからでしょう。UVカット効果を求めてフィルムを探される方の場合、それ以外の効果はとりあえず考えてはおられないと思います。それで、UVカットをするのであれば、費用の事を考えて選ばれることでしょう。

そして、透明であることも理由の一つと考えられます。UVカットはしてほしいが、部屋が暗くなるのは嫌ですし、UVの事を気にせず外の景色を楽しみたいと思うかたが多いと思います。

 

 

それで、飛散防止フィルムと聞きましたら、UVカットフィルムと同じであると理解してください。

また、もちろん遮熱、防犯、プライバシー、のフィルムも同様にUVカットをするということも覚えておいてください。

 

でも、このUVカットに特化したフィルムも少ないながらございます。このことは、また別の機会に取り上げたいと思います。